健康経営優良法人(大規模法人) 令和5年度の進捗と今後の方向性
令和5年度 健康経営度調査票の提出は2023年10月13日(金)17:00提出締切でした。
今年の健康経営優良法人の申請に関する数値速報と、今後の健康経営の方向性にいてまとめます。
(※経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課
健康投資ワーキンググループ 事務局説明資料 参考)
目次[非表示]
- 1.今年度の回答件数
- 2.今年度の改訂ポイントごとの各社回答状況
- 2.1.特定健診・特定保健指導実施率の状況
- 2.2.労働安全衛生・業務パフォーマンスの開示状況
- 2.3.育児・介護と就業の両立支援
- 2.4.海外従業員への対応
- 2.5.生産性低下防止のための取組
- 3.健康経営10年での数値変化
- 3.1.健康経営に関するメディア露出
- 3.2.有給休暇取得率
- 3.3.喫煙率
- 4.健康経営の今後について
- 5.就活生への影響
- 6.まとめ
今年度の回答件数
令和5年の回答数は、3,523件(前回比+354件)
そのうち、
上場企業数は前回から76件増加となる
1,203件(上場企業全体の3割に到達)
今年度の改訂ポイントごとの各社回答状況
今年度の主な改訂ポイント
特定健診・特定保健指導実施率の状況
・特定健診実施率は、
実施率90%以上の保険者が全体の7割程度
・特定保健指導実施率は、
実施率50%未満の保険者が5割超
(※共済組合は回答数が少ないため、参考値)
外部サービスの活用も含め、さらなるコラボヘルスの推進により、いずれも実施率の向上が必要と言えそうです。
労働安全衛生・業務パフォーマンスの開示状況
今年の調査票から、必須にしてはどうか。
と議題に上がっていた、「労働安全衛生」の開示については
4割
そして、ホワイト500認定取得において必須となった
「業務パフォー マンスを把握し開示しているか」については、
約3割
表示方法は各社異なっており、下記方法が見られました。
・経年の実績数値と目標値を図で表示
・テキスト内で取得数値を表現
・KPI数値として、別途PDFにまとめて表示
業務パフォーマンス数値の取得方法は令和4年度調査票の回答結果からまとめたものが
「ACTION!健康経営」サイトに掲載されていました。
育児・介護と就業の両立支援
・育児の両立支援策
「柔軟な勤務制度」回答した企業は7割を超える
「利用者への ニーズ聴取」等については約3割
・介護の両立支援
「相談窓口を設置」している 企業は5割を超える
実態把握を行う企業は3割未満
今後は、育児・介護ともに、利用者へのニーズ聴取等を通じて、実態に即した支援策を充実してくことが望まれそうです。
制度を設けたものの、利用者がいない。知られていない。形骸化といったことが無いよう、
ニーズ聴取や制度の認知活動・利用促進も重要になります。
海外従業員への対応
自社の健康経営推進方針に基づき、
グローバルで健康経営に取り組む企業は約4割
グローバルの社員が参加できるイベントを実施しコミュニケーション活性化につなげる企業や、
現地の環境に合わせた疾病の予防活動を実施している例があった。
その他、グローバルでの健康経営実践企業事例はこちらの記事をご覧ください。
生産性低下防止のための取組
生産性損失に影響のある症状への支援
・花粉症に対する具体的な支援
1番多かった回答は、「空気清浄機の設置など職場での花粉症対策の実施」
約5割
意外にも、根治治療(免疫療法など)に対する補助・支援をしている企業が5%もありました。
(花粉症の根治治療には、舌下免疫療法などがあります)
・眼精疲労に対する具体的な支援
多かった回答は
「眼精疲労に配慮した照明や加湿器の設置等」
「眼精疲労に配慮したディスプレイ等職場で使用する機器の整備」
が4割を超えていました。
健康経営10年での数値変化
健康経営に関するメディア露出
毎年度3月の健康経営銘柄 選定・健康経営優良法人 認定時にメディアへの露出が増加。
一定程度、健康経営が浸透してきていると言えそうです。
有給休暇取得率
年次有給休暇の取得率は顕著に向上していました。
令和4年の就労条件総合調査によると、有給休暇取得率は約6割(58.3 %)であるのに対して、
調査票の回答法人における有休取得率は、平均を超える6割以上取得法人が63.9%と高い割合でした。
さらに、ホワイト500認定法人でみると約80%に上る結果となっています。
喫煙率
回答企業全体、ホワイト500ともに年々低下傾向でした。
国民生活基礎調査における就業者の喫煙率を、
ホワイト500男女構成比、及び回答全体の男女構成比にてそれぞれ調整した就業者の喫煙率と比較したところ、
回答法人全体の喫煙率が低く、
ホワイト500ではその差がより顕著に表れていました。
その他にも、この10年での各種数値変化がまとまっている為、気になる方は、
下記の第10回健康投資ワーキンググループ ページ
資料2 事務局説明資料①(今年度の進捗と今後の方向性について)(PDF形式:4,354KB)をご覧ください。
健康経営の今後について
今後の方針については、特に新たな情報はなく、
前回(第9回健康投資WG(令和5年7月18日)事務局説明資料)の資料のみとなっておりました。
健康経営の実践による、評価・改善
企業価値の向上・経済成長に向けた取組み・数値開示が重要になりそうです。
また、今回の調査票で「必須項目としてみては」と意見が上がっていた、
労働安全衛生の開示について、今回の調査票では43%となっていました。
来年度の調査票では改めて必須の議論が出るかもしれません。
就活生への影響
就活生及び転職者に対するアンケートを実施し、
企業が健康経営に取り組んでいることが就職先の決め手になると、
約6割が回答しています。
求職者が働く職場に望むもののトップは、
心身の健康を保ちながら働けることであり、
多様な価値観を持つ働く世代において健康経営が重要な要素となっていることがわかります。
採用を強化されたい企業や、採用に苦戦している企業では、ブランディングの一環として
従業員の健康増進・健康経営の取得は有効な一手となりそうです。
まとめ
今回は健康経営優良法人の顕彰制度が開始して10周年ということで、
これまでの各数値の変遷などがまとめられておりました。
また、申請数も毎年増えてきており、
上場企業では全体の3割が申請している状況です。
投資対効果が見えずらい分野の為、まだまだ健康経営に取り組むことに理解を得られない企業があるのが正直なところに感じます。
人的資本経営や非財務情報の開示の流れと共に、企業が従業員の健康に投資することに理解が進み、
より従業員の健康への意識を高め、より生産性高く、いきいきと働けるような環境が増えるよう期待と
弊社でお手伝いできるところがあれば、サポートをさせて頂きます。
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