健康経営度調査フィードバックシートの活用方法
健康経営優良法人の顕彰制度では、
例年10月までに健康経営度調査の申請を行い、
回答した企業に対しては、毎年12月に速報版、翌3月に確定版のフィードバックシートが送付されます。
令和5年度 健康経営顕彰制度のスケジュール
今回は、このフィードバックシートの活用方法についてまとめたいと思います。
目次[非表示]
- 1.健康経営度調査フィードバックシートの中身とは?
- 2.効果的な活用方法
- 3.他社比較
- 4.課題の特定
- 4.1.実施有無を問われる設問
- 4.2.取り組み内容について
- 5.対応策の検討
- 5.1.実施有無を問われる設問
- 5.2.取り組み内容について
- 6.まとめ
健康経営度調査フィードバックシートの中身とは?
提出をした健康経営度調査の評価結果が下記内容の通り、まとまってフィードバックをいただけます。
画像引用元:経済産業省『令和4年度 健康経営度調査フィードバックシート <サンプル>』
フィードバック内容は
①健康経営度評価結果
②評価の内訳
③評価の変遷(直近5段階の評価結果)
④評価の詳細分析
⑤健康経営の戦略
⑥健康経営の情報開示
⑦経営レベルの会議での議題化
⑧各種施策の2022年度の参加率
⑨具体的な健康課題への対応
●健康経営優良法人認定基準適合書
こちらに、認定要件の対応状況が記載されます。
認定基準適合書
効果的な活用方法
フィードバックシートは、健康経営に対する取り組み成果を可視化し、客観的に評価ができます。
フィードバックの客観的な評価をもとに、経営層やステークホルダと
何が課題か、取り組みが足りていない箇所を明確にして、次年度に向けた施策の立案をしていきましょう。
流れとしては、「他社比較」「課題の特定」「対応策の検討」で進めていくと良いでしょう。
他社比較
フィードバックシートでは、自社の偏差値とあわせて
・回答法人全体トップ
・業種トップ
・業種平均
が確認できます。
フィードバックシートsample ④評価の詳細分析の一部抜粋
「回答法人全体トップ」については、
健康経営銘柄を目指されるような企業が意識する数値になります。
回答法人全体トップなので、令和5年の調査票でみると、
回答法人数3,523社のトップ企業の数値になります。
Sampleですと、業種トップの数値の方が高い項目がありますが、実際は回答法人トップの方が高い数値となります。
「業種トップ」については、
ホワイト500を目指されるような企業や、
より本格的に健康経営に力を入れたい企業が意識する数値となります。
自社の同業種のトップ企業との偏差値の差分の大きい項目に着目し、
重点的に取り組んでいくことをお勧めします。
「業種平均」については、
健康経営を始めたばかりの企業や、予算・体制について経営層からなかなか理解が得られない企業に意識頂きたい数値となります。
同業種企業の平均と比べて自社がどの程度の取組み評価になっているのか。
自社の現状を理解し、平均値とのギャップをどのように埋めていくか、経営層や従業員の健康管理・健康経営推進メンバーで協議いただけます。
ホワイト500を目指すうえでベンチマークになる偏差値は
令和4年度のホワイト500認定企業の総合偏差値の平均は、62.3
TOP50位でみると、65.2となっていました。
(上位500社のうち、公開レポートに公開されている450社から算出)
これからホワイト500を目指されている企業様におかれましては、
450~500位の平均偏差値が60.6でしたので、
一つ指標として今回のフィードバック結果から、ホワイト500認定に向けた差分を意識されると良いかもしれません。
(◆2,238社分の評価結果データ(Excel形式データ)から集計)
令和5年度の結果も公開されましたら、指標となる偏差値を公開いたします。
課題の特定
調査票の設問ベースで対応状況を振り返り、対応すべき課題を特定していきます。
できたこと・できなかったことを洗い出してみましょう。
「3.他社比較」で見た意識する偏差値数値とのギャップの大きい項目も意識して見ていきます。
項目ごとの対応状況 洗い出しイメージ
実施有無を問われる設問
全部の設問に対応するのは難しい為、
設問の中でも
・情報開示、HPや社外資料への掲載
・制度・施策の実施の有無
で調査票回答できる設問があるので、今回の調査票で対応できていなかった設問内容を特定していきましょう。
取り組み内容について
「3.他社比較」でギャップの大きかった項目や、自社の強みの部分をより強化していきましょう。
基本は、自社で作成している健康経営戦略マップがあれば、その指標に則ってやることが重要です。
(健康経営戦略マップとは:健康投資管理会計のひとつで、健康経営を効果的・効率的に行うためのいわば、設計書のようなものです。)
健康投資管理会計ガイドライン
どんな指標に基づいて何の取組みを行うのか
その、優先度・緊急度を出してみましょう。
対応策の検討
「4.課題の特定」で特定した課題に対して、対応策を検討していきます。
だれが(実施責任者)・いつまでに(実施期日)が重要になるので、ここもしっかりと決めていきます。
実施有無を問われる設問
・情報開示、ホームページ(HP)や社外資料への掲載
開示内容によっては経営会議での確認
HPへの掲載は依頼からどの程度の期間で対応できるかリードタイムの確認
統合報告書・有価証券報告書など株主向け資料は
記載依頼はいつまでに、どの部署に依頼が必要か等
を確認し、優先度・工数を考慮して対応内容を決めていきます。
・制度・施策の実施の有無
制度・施策・オフィス環境の整備の実施有無で
●制度の改定に伴う予算確保が必要か
例)非喫煙者・禁煙成功者へのインセンティブ付与
●施策の実施に伴う予算確保や時期の設定
例)イベント実施に伴う予算確保・時期調整
●オフィス環境の整備
例)バランスボールの配置・空気清浄機の導入に伴う予算確保
導入対象規模(本社のみ or 全拠点等)
こちらも優先度・工数を考慮して対応内容を決めていきます。
施策の進め方としては、いきなり全体展開ではなく
パイロット的に小さく初めて効果検証を行い、
成功事例を作って展開していくことをお勧めします。
取り組み内容について
「4.課題の特定」で作成した、どんな指標に基づいて何の取り組みを行うのか、優先度・緊急度に、「工数」を加え、
実施すべきこと、あきらめることを決めていきましょう。
銘柄やホワイト500の認定を目指す場合、調査票の隅から隅まで くまなくチェックできるよう対策・実施が必要になります。
まとめ
健康経営度調査フィードバックシートを活用することで、自社の立ち位置。健康経営の中で評価できるポイントや強化すべき点が明確になります。
健康経営戦略マップなどの戦略に則り、調査票内容に対応できるよう対策を打っていきましょう。
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