健康経営優良法人 令和5年度傾向と6年度の調査票方針まとめ
2024年3月11日(月)に、健康経営優良法人2024が発表されました。
認定されました企業様おめでとうございます。
今回は、
1.令和5(2024)年度 健康経営度調査傾向
2.健康経営の今後の方向性
3.令和6(2025)年度 健康経営度調査票の方針
をまとめました。
(※経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課
健康投資ワーキンググループ 事務局説明資料 参考)
目次[非表示]
- 1.令和5(2024)年度 健康経営度調査傾向
- 1.1.大規模法人部門
- 1.2.中小規模法人部門
- 1.3.今回(令和5年度)の新たな展開
- 1.4.大規模法人部門 業種別分布
- 1.5.ホワイト500認定に向けた対策
- 2.健康経営の今後の方向性
- 3.令和6(2025)年度 健康経営度調査票の方針
- 3.1.効果検証
- 3.2.女性特有の健康課題対策
- 3.3.非正規社員への対応
- 4.最後に
令和5(2024)年度 健康経営度調査傾向
令和4年度より、大規模法人部門・中小規模法人共に認定申請料がかかるようになりましたが、
人的資本経営や、従業員の健康管理の必要性・意識向上もあり、
今年も回答数・認定数共に増えていました。
大規模法人部門
回答数:3,520件(前年比+351件)
認定数:2,988件(前年比+312件)
大規模法人部門の申請数・認定数は年々増加傾向
中小規模法人部門
申請数:17,316件(前年比+2,915件)
認定数:16,733件(前年比+2,721件)
昨年の申請数が、1,500社近くの増加だったため、
申請数としは倍近くに伸びています。
中小規模法人部門の申請数・認定数も年々増加傾向
今回(令和5年度)の新たな展開
以下のポイントを中心に反映されました。
・情報開示の促進
・社会課題への対応
・健康経営の国際展開
令和5年度調査票に新たに反映したポイント3点
大規模法人部門 業種別分布
回答企業数が多い職種としては、
・サービス業 (516社)
・情報・通信業(431社)
・小売業 (414社)
と続いてます。
業種別回答数と前年対比
ホワイト500認定に向けた対策
今後、ホワイト500認定を目指す・継続認定には・・・
申請企業数が増加しており、今回でいうと、認定企業の上位17%のみが
ホワイト500に認定されるという狭き門となっています。
ホワイト500認定のハードルが一段と高まり、
調査票の回答に1つでも多く回答できるような対策や、
ウェイトの大きい「1.経営理念・方針」「4.評価改善」取組み強化が必須となってきています。
では、どれぐらいの偏差値が必要になるのか
ホワイト500認定企業の
総合評価の平均 :630.1
総合偏差値の平均:63
TOP50位でみると、
総合評価の平均 :654.9
総合偏差値の平均:65.5
となっていました。
(公開レポートに公開されている順位~500位の企業から算出)
これからホワイト500を目指されている企業様におかれましては、
450~500位の
総合評価の平均 :614.4
総合平均偏差値の平均:61.4
でしたので、一つ指標として今回のフィードバック結果から、ホワイト500認定に向けた差分を意識されると良いかもしれません。
(◆2,466社分の評価結果データ(Excel形式データ)から集計)
また、今年度から
「いずれかのパフォーマンス指標について、直近の実績値及び測定方法を開示し、その開示URLを回答していることをホワイト500認定要件」とされており、当たり前ではあるものの、
銘柄選定企業やホワイト500と、優良法人認定企業では
大きく差が出ています。
銘柄選定企業・ホワイト500ではパフォーマンス開示が進んでいる
健康投資ワーキンググループ資料には、他にも
・上場企業に占める業種別回答比率
・不認定理由
などの資料がまとまっているので、気になる方は、
下記ワーキンググループ資料をご参照ください。
健康・医療新産業協議会 第11回健康投資WG
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/kenko_iryo/kenko_toshi/011.html
健康経営の今後の方向性
目指すべき姿として、昨年の第9回健康投資WGから資料化されていますが、
1.健康経営の可視化と質の向上
2.新たなマーケットの創出
3.健康経営の社会への浸透・定着
が挙げられています。
健康経営の目指すべき姿
ここでは、1の健康経営の可視化と質の向上について詳しく見ていきます。
令和6(2025)年度 健康経営度調査票の方針
今回のワーキンググループ資料から見える、今後の方針を紹介します。
効果検証
月刊総務のアンケート結果より、
健康経営の取組みが、会社の業績向上につながると感じている担当者が85%と非常に高かった一方、
健康経営に取り組むデメリットとしては、
「投資対効果が分かりにくい」といった声が最多となっています。
健康経営が業績向上につながる一方、デメリットとしては投資対効果が分からない
今年度の調査票から、投資対効果の検証として、
パフォーマンス開示が評価設問となり、開示が進んでいます。
引き続き、効果に対する検証を積極的に実施する必要性が
示唆されています。
女性特有の健康課題対策
働く女性が増える中、女性特有の健康課題での経済損失額が非常に大きく、組織的な対応を重点的に評価をしていく方針が示されています。
女性特有の健康課題による経済損失(試算)
女性従業員の視点・企業側の視点としては、下記が挙げられています。
上司や周囲からの理解・両立を図る為の支援や制度が声としては多く挙げられています。
女性従業員に対する支援状況
では、どんな目的でどんな施策が良いのか、コストイメージについても
まとめられた資料がこちらです。
女性特有の健康課題だからと、女性のみの対応ではなく、周りで働く男性従業員の理解が非常に重要となります。
支援策の整理
女性特有の健康課題に対する、取組み事例はこちらをご覧ください
非正規社員への対応
派遣社員や、自社で雇用する非正社員も健康経営活動の対象範囲に含めて取り組んでいる企業は、調査票回答企業の26%になります。
そのため、
令和6年の健康経営度調査票においては、
対象範囲に非正社員等を含めている法人については加点することを検討
となっております。
非正規社員等への取組み状況と事例
最後に
今回のワーキンググループ資料からは、調査票の評価設問の追加や変更についてのものは少ない印象でした。
ただ、投資対効果の検証や女性特有の健康課題については、重点評価をしていく方針が出されている為、成果・効果を意識した施策の実施が必要になってまいります。
また、調査票のエビデンスチェックが強化される予定です。
次年度より、エビデンスチェックをより厳密化するともに、
認定発表後(過年度の 認定法人)も常時検査を実施、審査結果次第で認定の返納を求める形に変更することで、
健康経営優良法人、健康経営顕彰制度の質的な信用性を確保する。
と示されています。
FiNCでは、
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女性特有の健康課題に対する、低用量ピルのオンライン診療や、女性の健康に関するeラーニングもご用意をしております。
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