社名 :江崎グリコ株式会社
事業内容: 菓子、冷菓、食品、牛乳・乳製品の製造および販売
URL :https://www.glico.com/jp/
平山:弊社は「おいしさと健康」という企業理念を掲げており、世界のお客様にココロとカラダがいきいきする「おいしさと健康」をお届けすることを目指して
います。しかし健康経営に取り組み始める2018年7月時点では、従業員の健康に対する意識や行動が十分ではないという問題意識を持っておりました。
やはり、従業員自身が健康に強く関心を持ち、日常から健康を意識して行動していないと、健康に対する深い洞察に基づいた商品開発や企画提案を行う
という事業にはつながっていかないという考えが、弊社が健康経営に取り組むきっかけになりました。
平山:はい、経営トップから問題提起され、弊社の健康経営は一気に本格化しました。
具体的には経営企画部内に健康経営推進グループを新設し、健康課題の解決
だけでなく、働き方改革や業務効率化、ダイバーシティ&インクルージョン
といった他の組織的課題解決も包含した戦略の策定、組織・体制づくりの推進
から、中長期的な目標設定や計画作成まで、経営層と議論を積み重ねて健康経営
の取り組みを推進してきました。
2020年までの最初の3カ年計画の活動を終え、当初マイルストーンに設定していま
したホワイト500の認定にまでたどり着くことができました。
今後は、健康投資管理会計ガイドラインを参考に作成した健康経営戦略マップの
KPIを設定して、それを基に取り組みをPDCAしていく予定です。
平山:全体の取り組み方針策定や進捗管理は
健康経営推進グループ(専任2名+兼任1名)が担っていますが、その上で
さらに健康経営の事務局を設置して全社との連携を図っています。
事務局にはグループ総務部(定期健康診断や安全衛生委員を管轄)と
グリコ健康保険組合(特定健診や特定保健指導を管轄)に参画してもらい、
取り組み方針や各種施策とその結果、ネクストアクションについて三者で
考察・議論するようにしています。
また、各職場には健康推進リーダー(従業員20~30名あたり1名)を配置
しており、健康づくりのアドバイスや指導を担ってもらっています。
さらに、定期的に全社開催している健康セミナーやウォーキングイベントへ
の参加促進や各職場特有の健康課題解決を担当してもらっています。
平山:健康には仕事や人間関係のストレスも影響することから、人事部や産業保健スタッフとも必要に応じて連携を取るようにしています。
例えば従業員から同意を得た健康情報については健康経営推進グループが管理していますが、FiNCコンディションサーベイ※1の回答結果によっては
人事部へ連携したり、産業保健スタッフ等の相談窓口を紹介したりしています。
※1 最大5問の簡易組織診断サーベイ
平山:2018年に本格的に健康経営を開始し、スピード感をもってその取り組みを進めてきました。
健康経営は会社方針であり、従業員一人ひとりが自身のキャリアプランやライフプランを実現するためにも健康であることが欠かせないとのメッセージを
社内では繰り返し伝え、結果、従業員から賛同の声が多く聞かれました。
平山:グリコ健康保険組合とともに検討したデータヘルス計画では、生活習慣病に次いで悪性新生物が課題となっており、現在疾病の早期発見・治療に注力して
います。具体的にはガン検診の受診率向上や二次健診勧奨の強化、特定保健指導受診率の向上について、アウトソースも活用して取り組んでいます。
また、生活習慣病をはじめとした様々な疾病予防を目的に、全部門共通目標として平均歩数8,000歩/日を設定し、生活習慣改善ミッションやインセンティブ
制度、ウォーキングイベント等を有機的に組み合わせた計画を立てて、進捗管理しています。昨今のコロナ禍で在宅勤務が続く中、運動不足による
健康二次被害を防止するためにも、国から出ている新型コロナウイルス感染対策を遵守しつつ歩くことを推奨しています。
健康と直接関係する訳ではないですが、FiNCウェルネスサーベイ※2の「安心して発言・行動できる職場だと感じている人の割合」を改善していくことが
直近の課題ですね。従業員が考えや想いを闊達に議論し、積極的にチャレンジできる環境を整えることがイノベーティブなアイデアやチャレンジに
つながり、VUCAと言われるこの時代における成長機会をつくっていくものと考えています。
※2 全97問から成る、従業員の心身の健康をフィジカル・メンタルに加え、
エンゲージメントを組み込んだ3つの側面から可視化するサーベイ
平山:「意識して歩くことで、痩せて体の調子が良くなった」という声や「会社の本気度を感じる」という意見もあり、3年継続することで従業員には着実に
浸透してきているかとは思います。
またユニオンも、組合員のより豊かで充実した生活の実現のためには健康が必要であると健康経営の活動の趣旨に賛同してくれており、
組合員からも肯定的な意見が多いと聞いています。
定量的なデータで見ると、行動変容ステージモデル※3で実行期・維持期にいる方が30%から33%へと3ポイント増加していて、少しずつ行動変容している
従業員は増えてきていると捉えています。
※3 行動変容ステージモデルでは、人が行動を変える場合は
「無関心期」→「関心期」→「準備期」→「実行期」→「維持期」の5つのステージを通ると考えます。
【出典】厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-07-001.html
平山:健康経営を開始したときにGlico健康フィロソフィーを定め、運動・栄養・休息の3つの要素に着目して健康づくりをしていく方針でしたから、
歩数・栄養・睡眠の3つの生活ログを記録できるFiNCアプリが弊社の考えに適合していたことが導入理由のひとつです。
また、プレゼンティーイズムによる損失(コスト)は医療費の5倍とされており、弊社としても、その詳細を把握し改善することが課題でしたので、
プレゼンティーイズムを可視化、測定できることが2つ目の理由です。そして、FiNCウェルネスサーベイはストレスチェックも兼ねて実施できるという点も
魅力のひとつでした。
平山:一番反響があるのはウォーキングイベントで、参加者も多く盛り上がりますね。チーム対抗としているのですが、中にはチーム内ではっぱをかけあって
かなりの歩数を記録しているチームもあります。
弊社のサーベイへの回答率やこういったイベントごとへの参加率は世間より高いので、その分取り組みの波及効果も大きいのではないかと期待しています。
柏木:その他に、FiNCコンディションサーベイを上長と部下のコミュニケーションに活用しています。コンディションサーベイの数値に急激な変化があったとき、
部門長が職場で何があったかを把握し、部下と対話することを推奨しています。
また部門長が部下の話を傾聴・共感し、対話することが相互理解や信頼関係の醸成につながり、安心して発言・行動できる職場の土台になるという考えで、
部門長にセルフマネジメントのワークショップ研修も実施しています。
コロナ対策として在宅勤務が可能な職種については原則テレワークとしているため、上長と部下のやり取りはどうしてもオンラインミーティングが中心と
なっています。オンラインミーティングでは議題(仕事の話)に集中してしまう傾向にあるため、意識的に雑談を取り入れてもらうなど、部下が意見を
言いやすい場をつくり、マネジメントに活かしてもらっています。
また、上長と部下が共通の認識をもって対話することが重要と考え、部下側にも同様のワークショップを実施しました。部門長にはセルフマネジメントを
通じた組織マネジメントを中心に学んでもらいましたが、部下側にはストレスの正体やレジリエンスを高めるためのセルフマネジメントについて
知識習得してもらいました。
今後は部門長の下でグループをマネジメントするグループ長の階層にも同様のワークショップ研修を展開していく予定です。
平山:2つありまして、部門の目標に組み込んだことと、従業員個人へのインセンティブとしてFiNCポイント※4を付与したことが大きいと思います。
特にFiNCポイントは専用のモール(FiNC MALL)※5での買い物に利用できるため、好評の声を頂いています。
※4 現在はFiNCマイルとしてインセンティブを配布中
※5 「カラダにいい」をコンセプトに専門家目線で健康づくりをサポートする商品・サービスを集めたウェルネスセレクトショップ
(2024年3月末でサービス終了)
現在は、Amazonギフト券等のデジタルギフトへの交換可能な機能を提供。
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